お絵描き自由画帳 黄色組

絵に関する課題、読書感想など

『陰翳礼賛』(著者 谷崎潤一郎)

日本独自の科学文明が発達していたら、どのような生活様式になっているか?

こういう仮定はわくわくします。日本独自の価値観を基にして科学技術が発展したならば、日用品・機械・薬品・工芸品などが、日本の国民性に合致した形で発展したのでは?という話。

 さて、どのような形になっているのか?和服の立場はどうなっているのか?ある程度、日常服の立場を維持しており、和服とは呼ばれずに、ただ『服』と呼ばれているかもしれない。建築物はどうなっているのか?現在では、光をとりいれるこを良しとしているが、その逆に、光と影のバランスをとることを重視しているかもしれない。薬品はどうか?漢方薬を使った治療法がもっと採用されているかもしれない。工芸品はどうか?日常品としての立場を得て、生活用品の一部になっている物もあるかもしれない。

 美意識というものが、普通の生活の中から生まれてくるものだとしたら、今はどのような美意識が定着しているのか?生活様式が変わっていたら、今をどのように感じるのか?いろいろと考えることが出てくる、面白い本でした。