お絵描き自由画帳 黄色組

絵に関する課題、読書感想など

『喧嘩両成敗の誕生』(作者 清水克行) 感想

中世の人々の沸点の低さ

中世の人は、キレやすいのか?この本に載っている資料だけで判断することは、乱暴だと思うけど、タケノコをめぐって殺し合いになった話など、様々なエピソードからそのように感じる。では、乱闘騒ぎのうえ死人まで出てしまった場合、当事者たちを納得させるにはどのような判断を下す必要があるのか?

 『喧嘩両成敗』この制度?慣習?がどのように生まれてきたのかを知ることができる本です。

 

 さて、この本を読んで思ったことは、感情と行動の関係性についてです。

 まず、前提条件として『大事なもの』を定義したいと思います。生命及び財産を基礎として、それらに付随する要素(記憶、想い出、時間、名誉、掟、思考、決意などなど)を含めたものを『大事なもの』とします。

 『大事なもの』は、その人を構成する重要な要素になります。それをなくしてしまった場合にどのような感情を抱き行動するのかを考えてみます。

怒り

 怒りを覚えるということは、『大事なもの』を奪われたと感じているのではないか?

『大事なもの』はその人を構成する重要な要素であるため、それを失ってしまうと、今後の生き方に影響が出てしまう。それを取り戻すために怒りという感情を使って行動していると考える。怒りがないと、動けない状態なのかもしれない。どれほど大事なものを失ったかにより、強い怒りが必要になってくるか?

悲しみ 

 悲しみを覚えるということは、『大事なもの』は戻ってこないことを理解しているのではないか?行動に移す対象がないため悲しむしかないのか?

 『大事なもの』はどういった要素で形成されているか、また、自分を形成するものとして、どの程度の割合を占めているかを知っておく必要があると感じる。失った部分を適切なもので埋めることが必要かも?悲しみが深すぎて絶望に変わってしまうかもしれない。

 

 これら二つの感情を基礎として、様々な感情を派生させていくのかなと考えています。怒りを通り越して、面白くなったりするかもしれませんし、悲しみが憎悪に変化することもあると思います。

 面白そうな問題なので、もう少し時間をかけて考えてみたいと思います。